後遺障害の等級認定
※症状が十分回復した場合には、このステージは有りません。
1 後遺障害等級認定を獲得する時期
後遺障害等級認定とは,症状固定後にも症状が残ってしまったとき,すなわち「後遺症」が残ってしまったときに,当該「後遺症」が,画一的な基準に照らし,損害保険料率算出機構等の第三者が認定するものです。
このため,後遺障害等級認定を獲得できるのは,症状固定後,すなわち,医学的には,「治療を続けてもそれ以上症状の改善が認められないとき」以後である必要があります。
2 後遺障害等級獲得の効果
交通事故の損害賠償金額は、後遺障害等級が何級であるかによって、損害賠償額は大きく変わります。等級が1つ違うだけで、賠償金額が数百万円単位で変わってしまうことも決して珍しくないのです。
そして,いくら弁護士に依頼すれば賠償金額が上がるといっても、低い等級で認定された場合、高い等級を取得した場合並の賠償額を獲得することは困難です。
このため,後遺症が残ってしまった場合には,その点も考慮した適切な賠償を受けるためにも,後遺障害等級を取得することが,非常に重要なポイントとなってくるのです。
3 後遺症が残っても,後遺障害等級が得られるとは限りません
注意して頂きたいのは,「後遺症」と「後遺障害」とは,必ずしも同じではないことです。
すなわち,「後遺症」が残っていても,「後遺障害等級の基準」を満たさないと後遺障害等級を獲得できないのです。
そして,保険会社も,裁判所も,「後遺症」があるという理由で賠償金額の増額を認めることは、原則としてありません。
つまり,「後遺症」があったとしても,「後遺障害等級」を獲得しなければ,そのことを十分に考慮した適切な賠償を受けることはできないのです。
4 医師は,後遺障害等級獲得を目的としていないこと
医師の目的は「治療」にあり,「後遺障害等級」の獲得にはありません。
このため,医師の「治療」の腕と、後遺障害認定についての知識とは,必ずしも比例しないのです。また,診断書等の書き方は医師毎に様々で,「後遺障害等級」獲得にあたって大事な記載が,診断書等に明記されていないことも稀ではないのです。
そのうえ,一旦、後遺障害等級認定の結果が出されてしまうと、後から異議申し立てを行って、より上位の等級を認定してもらおうとしても,実現は相当困難です。
5 当事務所の後遺障害等級獲得サポート
このような点を踏まえて,当事務所では,後遺障害等級獲得を相手方保険会社任せにしないことは勿論,これまでの多数の解決事案の経験から,後遺障害等級を獲得するために必要なことを,症状固定後後遺障害等級獲得までの間は勿論,治療段階から丁寧にお教えし,場合によっては医師に直接説明を求めるなど,できる限りのサポートをさせて頂いております。
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